知っているかい?
君は世界で一番不幸な子供なんだよ?


主人公――卯月夜狐は特異な子供として生まれた。
生まれながらに人外の言葉を解し、人には見えぬはずのものが見えた。
毒も薬もその体には効かず、ありとあらゆる異形から寵愛される。
望む望まないに関わらず、彼は歪んだ日常を送らざるをえなかった。
人間から逸脱した、あまりに異常な日々。
けれども、それはまだ平穏と呼べるものだった。
十五の誕生日が近くづに連れ――仮初の平穏に皹が入り始める。



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